BRM318西東京しおかつお達磨山

1. Summary

Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
Start -> CHK 33.6 km +760/-184 m 03/18 07:00 03/18 09:30 2.00 H 03/18 07:30 03/18 09:23 1.88 H
CHK -> PC1 70.6 km +1,555/-2,179 m 03/18 09:45 03/18 13:45 4.00 H 03/18 09:25 03/18 13:05 3.67 H
PC1 -> PC2 88.9 km +2,156/-2,159 m 03/18 14:00 03/18 19:00 5.00 H 03/18 13:20 03/18 18:01 4.68 H
PC2 -> Finish 13.1 km +86/-73 m 03/18 19:15 03/18 20:00 0.75 H 03/18 18:24 03/18 19:02 0.63 H
Start -> Finish 206.2 km +4,557/-4,595 m 03/18 07:30 03/18 20:00 12.50 H 03/18 07:30 03/18 19:02 11.53 H

11.53Hにて認定完走。

2. Equipment

服装。

  • Rapha Pro Team Training Jacket.
  • Rapha Pro Team Winter Tights with pad.
  • UnderArmour ColdGear Compression.
  • Harzl GRIPPP! Full Finger.

バイク装備(収容)。

  • Apidura Road Frame bag small.
  • ORTLIEB saddlebag micro.

バイクは、タイヤをVittoria OpenCorsaからMichelin PowerAllSeasonへ、チューブのバルブ長を42mm→51mmへ変更した以外は変更なし。
服装は午前に標高1,000m近くの達磨山に登ること、その後に一気に降りること、予想気温が3~15℃のため、最低気温に寄ったチョイス。
結果的には、午後の海岸線沿いを走っている最中、曇天で気温も落ち込んでいたので、最高気温に寄った装備では冷えて仕方なかったと思う。
グローブはASSOSアーリーウィンターからGRIPPP!フルフィンガーへ。矛盾するようだけれど、低標高の区間が多くを占めるこの行程で、冬用グローブは過剰装備の判断だった。BRM218でも暑くて脱いでいるときのほうが多かった。付け加えれば、ASSOSアーリーウィンターはグリップが甘いので、ギャップで手がすっぽ抜ける恐れがある。
Framebag(S)にはハンドポンプを入れた。チューブ交換といい、前回の失敗から素直に対応した。

3. Schedule

Brevetは大まか、100km/1,000mのルートが多いが、しおかつお達磨山は、この大まかから大きく逸脱した4,500m超。

その事実に、開催5日前に気づく。
ともあれ。10.0Hでの完走行程は、1日を2人日で消化するようなもの。仕事じゃないんだからマジメに行程を引きたい。
序盤の達磨山プロフィールは、榛名山に似る。90分で消化すると決めた。根拠なぞない。
通過チェック→PC1はグロス20.0km/h計算から+1.0H。その調子でPC1→PC2にも1.0Hくれてやろうと思えば、Timeoutすることに気づいて、後行程にシワを寄せるいつものやりかたで、こちらには+0.5Hとした。
各ポイントでの休憩時間は0.25Hのまま。前回守れた実績をベースに組み立てる、好都合しか見ないやりかた。疲れてへたり込んだとき、0.25Hで済まなかった実績のほうが圧倒的に多いのに、……目をつぶったのである。
ぼくはこんなPMは殴ることに決めている。

4. Actuals

4-0. JR三島駅北口

現地まではクルマで。新幹線駅だから輪行も検討したのだけれど、始発に近いこともあって、移動時間がクルマの2倍近かったので見送り。
受付では、先日亡くなられたAJ会長稲垣氏のため、喪章が配られていた。胸に喪章を付ける。どうかやすらかに。
今回のBrevet、ざくさんが参加している。達磨山前でぼくが千切れて消えるとはいえ、途中までは一緒にいくことに。

4-1. Start@JR三島駅北口広場 → 通過チェック"だるま山高原レストハウス"(33.6km/2.00H/+760m/-184m)

今すぐおうち帰っておふとんでFGOやりたい。……この心境でスタート。
言い訳をすると、実績ベースで行程を組み、走るスタイルを確立してからは、実績からハシゴを掛けて目標を上に積んできていた。……いや、たまに上に積んでた。
ぼく基準、獲得標高が4,500mの200kmはハシゴよりもブースターが要る。
三島駅を出てから、狩野川沿いに修善寺を目指す。数年前に正太郎レーシング忘年会@下田で走ったなと思い出しつつ。
修善寺からは達磨山へ向かうためK18を走るのだけれど、温泉街の裏通りのような細い道。
勾配のキツくなってきたところで、ブル様やざくさんから切り離されてソロ活動。修善寺温泉の街並みを終えれば、山間の見慣れた色合いの風景を登っていく。
通過チェックのだるま山高原レストハウスには、1.88Hにて到着。じつは7:38にスタートしているから、グロス1.75Hが正しい。脚の消耗は想定どおりに致命的。
予想外であったのは、ブル様ざくさんのファストチームの出発ごろに到着したこと。クイズ回答を撮影して、そのまま合流(待っていてくれたので)。

4-2. 通過チェック"だるま山高原レストハウス" → PC1"サークルK南伊豆下賀茂店"(70.6km/4.00H/+1,555m/-2,179m)

よし心肺も腐ってる。ダメだこれ。
待っていてくれたのだけれど、5.0km後にはふたたびソロ活動。戸田峠を過ぎて西伊豆スカイラインに入れば、雪をかぶった富士山も、三島と沼津の街並みも遠く見下ろせる絶景を拝める。
標高1,000m近いというのに、晴れの日が幸いして然程寒くなかった。ジッパーを下ろしてグローブを外して放熱量を増やす。もちろん下るときにはジッパーを上げる。
船原峠→仁科峠と稜線を伝っていく。記憶の通過チェック→PC1は、達磨山からすぐに降りて低標高の山間を走っていくものなのに、いつまで経っても急峻なダウンヒルに辿り着かない。道間違えてるんじゃなかろうかと、稜線の上、一本道を走りながら思う。
仁科峠までの道中、5人ほどに抜かれる。登りの遅いのは自覚している。
K59のダウンヒルは、思ったより時間を稼げなかった。ブラインドカーブの連続に、道端に堆積した枯れ葉が、否応なく安全マージンを多く見積もらせる。舗装状況もよくないとはブリーフィングで指摘あった気がする。ギャップで跳ね回らず済んだのは、25cタイヤの恩恵だった。0.5barほど抜いてやれば、もう少し快適に下りられたように思う。
マーガレットラインに入る。もはや均一にクランクを回し続けてやることもできず、続く区間こそこのBrevetの最高難度であるはずなのに、PC1で朽ち果てる脚の消耗だった。つれぇ。
だが結果を見てみれば、片目をつぶればグロス20.0km/hというところ。うん、道中でおしっこ休憩したことを思えば。
ファストチームの出発に、またもや遭遇。思ったより離れていないのか?と思う続きは、やべぇオーバーペースだ死ぬというアラートでしかない。

4-3. PC1"ミニストップあすみが丘東店" → PC2"ミニストップ沼津内浦店"(88.9km/5.00H/+2,156m/-2,159m)

Garminログがブッ飛んだ。なんならぼくの記憶もブッ飛ばしたい。行程確認のため、ridewithgps。
蛇石峠をヘロヘロとこなし、下って20km。まだ獲得標高が400m程度という現実に泣きそうになる。平均的に獲得標高を積み重ねるなら、蛇石峠が90km続くようなものなのに。足りなさ過ぎる。
平坦がなく、坂道用の脚が尽きたいま、抜かれど抜き返すことはなし。
山を終えて海岸線に出て、脇を走るクルマの風に背を押され、トンネルをくぐり進んでいき気づく。……おや?登ってないぞ?
Garminの標高変化グラフを見る。スパイク状に飛び出た標高変化のほとんどは、トンネルでスキップされている。事実、45kmと半分の行程を終えて、獲得標高は600mちょっと。この数字は当初計画の半分強というところで、記憶のなかの区間残りは、伊豆らしいノコギリ状のアップダウンは続くが、極端に登らない。
進捗どうですか?と聞かれれば、グロス20.0km/hですよ、と回答できる状況。
これまでのいくつかの貯金をまとめれば、11.0Hの壁を突破できるかもしれない。少なくとも、12.5Hよりは短く終えられる見込みを立ててよい。
楽観だろと諌めるには、状況的に追い風が過ぎている。
土肥の街並みを通過。ここからのK17のノコギリ状アップダウンはもちろん脅威だが、いくつかのスパイクはトンネルに違いない。精度は変わらないから、600m程度登ってお終いになるのだろう。

自身で計画を立て、自身で行程をこなしていくようなプレイングマネージャが、プロジェクトの途中で「~見込みを立ててよい」「~に違いない」とか言い始めたら、状況はひとつきりだ。

彼はとっくにプロジェクトの全貌を見失っているし、そのプロジェクトは、最短、要件定義の時点で、崩壊している。

結果。
区間より強めに片目をつぶってやればグロス20.0km/hというところ。前半貯金を後半ですっかり食い潰したというのが事実なんだけど。
ともあれ当初予定より、1.0Hちょっと早く進捗しちゃっている。そして肝心の獲得標高は、大凡で1,600程度……かな。
土肥から先のK17は、引いたルートの数字を信じていい。誤差は小さい。

4-4. PC2"ミニストップ沼津内浦店" → Finish"セブンイレブン三島二日町"(13.1km/0.75H/+86m/-73m)

もう登らない嬉しみからペースを上げて突っ走る。市街地の信号峠に捕まって、突っ走った結果が7分の巻きだから、油断したらアウトだった。

終わってみれば、当初計画より1.0H早い結果だった。前回のBRM218といい、勘違いさせ易い状況が調いつつある。マズいね。

5. PostScript

ざくさん通いのラーメン屋さん。美味しかった。豚骨醤油がくちびるに染みた(荒れてた)。

今年に入った2戦でグロス20.0km/hをしつこく繰り返しているのは、それで走れるようになりたいからなのだけれど、平日の練習がキモだなと実感せずにおれない。30分でいいから走ろう。
装備類(収容)は、次戦BRM401千葉400kmも同じ構成で挑んでみようか。服装は、ジャケットから長袖ジャージに切り替えて。

タイヤの履き替え

みごとサイドカットに沈んだBRM218翌日のこと。
ここ2年間ほど使い続けたVittoria Open Corsa 23cに見切りをつけて、Michelin Power All Season 25cをwiggle.ukに発注。巷間はもとより、身近なところでも好印象であることに加えて、国内外で価格差が小さく、安価なことが決め手だった。
国内外で価格差が小さいくせにどうしてwiggle.ukなのさ、と言えば、Vittoria InnerTube 51mmが国内外で価格差が2倍強だったからに他ならぬ。なんであんなに高いのやら。

取り敢えず7.0barと少し高めに入れてみて20kmほど走ってみたところでは、ネガよりポジのほうが上回る印象。
漕ぎ出しは少し重くなった。Open Corsaペラッペラで軽いからな、これを上回るのは難しいと思う。
路面からの突き上げは明らかに減った。Open Corsaパンッパンに入れてたから、突き上げの1拍後には飛んでたもんな。
速度が乗ってしまえば両者の差はほとんどない。ほんの少し、25cのほうがトルクの掛かりやすい印象がある。
ダウンヒルで押し込むと少しばかりタイヤの変形?が感じられて怖い。どう動かしてやればいいのか迷うから、Open Corsaと同じようには突っ込めない。それは不慣れに起因するものではあるけれど、不慣れにのみ帰結する問題であるかは、まだ分からない。

慣れが解消する問題と、長距離長時間のときのストレスは未確認。これらはBRM318でチェックできればいいなあ。

BRM318でチェックした内容は、別記。

BRM218千葉300km銚子

1. Summary

Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
Start -> PC1 50.1 km +531/-431 m 02/18 07:00 02/18 09:15 2.25 H 02/18 07:08 02/18 09:13 2.08 H
PC1 -> PC2 58.4 km +335/-419 m 02/18 09:30 02/18 12:00 2.50 H 02/18 09:23 02/18 11:54 2.51 H
PC2 -> PC3 44.0 km +173/-153 m 02/18 12:15 02/18 14:15 2.00 H 02/18 12:14 02/18 14:09 1.92 H
PC3 -> PC4 89.4 km +380/-386 m 02/18 14:30 02/18 19:00 4.50 H 02/18 14:35 02/18 17:59 3.39 H
PC4-> Finish 63.3 km +624/-636 m 02/18 19:15 02/18 22:15 3.00 H 02/18 18:13 02/18 22:16 4.06 H
Start -> Finish 305.2 km +2,043/-2,025 m 02/18 07:00 02/18 22:15 15.25 H 02/18 07:08 02/18 22:16 15.14 H

15.14Hにて認定完走。

2. Equipment

前シーズンから追加/変更/更改/削除した装備は下記のとおり。

  • Rapha Pro Team Training Jacket.
  • Rapha Pro Team Winter Tights with pad.
  • Apidura Road Frame Pack Small.

Rapha上下は、ASSOS上下の老朽化とより低気温環境下での走行を可能とするために導入。ちょうど冬季セールで安くなってたし奮発。
Apiduraフレームバッグ(S)は、バックパックの老朽化対応、トップチューブバッグの廃止が目的。ツールボトルとトップチューブバッグの中身をすっかり移して補給食を詰められるだけの容量が確保されていた。
今回のBrevetにおけるそれぞれの使用感は別記。

3. Schedule

行程の作成における変更は、各区間にはグロス20.0km/h↑を当然として組み込んだこと。400km/20,0H完走の目標に近づけるため。
ルートの確認はサボリ気味。1/4ほどは走ったことのない区間だが際立って障害となる峠等はなかったことによる。今回のキモは九十九里の向かい風だろうが、予報は曇天のため警戒度は低め。晴れなければ向かい風にならない、という経験則から。
*.gpxファイルの作成はRide with GPSを利用。RouteLabを今後、使うことはなさそう。

4. Actuals

4-0. 袖ヶ浦海浜公園

袖ヶ浦海浜公園到着は受付時間を過ぎてからだった。第二ウェーブの7:10スタートになったことは予定外。風は夜間に較べ弱くなったと聞いたが、カードに住所を書く手が悴んでいくくらいには、まだ寒いし風もあった。
ブリーフィングでは、ちょうど、ぼくが袖ヶ浦海浜公園に戻ってくる時間帯(21:00~22:00)に若干の降雨があると言っていた。ぬう。

4-1. Start@袖ヶ浦海浜公園 → PC1"ミニストップあすみが丘東店"(50.1km/2.25H/+531m/419m)

区間の獲得標高は、100km/1000mに倣うもので、グロス20.0km/hの基準からは0.25H縮めた。グロス22.3km/h。
曇天に暗い東京湾からスタート。荷物を減らすために意図して置いてきた雨具兼最終防寒具mont-bellレインジャケットが、早くも恋しい。
PC1までのルートはほとんどが初めて。袖ケ浦市を水平に西へ抜けて、大まかには圏央道の湾側を粗くなぞるようなシンプルなルートで、目立った峠はない。
プロフィールには見えにくいこととして、この区間は信号がほとんどない。ただし、ミスコースはし易い(2回)。
結果、0.20H程度縮めてPC1へ。第二ウェーブのスタートのため、体感的にも随分早く到着した印象がある。
PC1での休憩は控えめに。その場で口にしたのはゼリーとバナナ。ミニあんぱんはフレームバッグに詰めて、身体の冷えてしまう前にさっさと出る。
まあ、さっさと出たつもりでいたが、実際には10分間PCにいた。予定よりは短いが、もう少し縮めるには慣れを必要としそうである。

4-2. PC1"ミニストップあすみが丘東店" → PC2"ローソン佐原北三丁目店"(58.4km/2.5H/+335m/-419m)

行程の縮め方で言うなら、PC2までのこの区間もなかなかに乱暴だった。グロス20.0km/hから20%近くも減らしてどうしたかったのか。
空模様は県中央を北へ跨いでからも、どの方角にも晴れ間は見えず。風はなかった。
身体の冷える前にPC1を出ていたことは、脚の疲労こそ残すが、全体的には良い方向に影響していた。ジャケットの背面パネルは通気性がよく、運動強度を落とすと背中から冷えてしまうから、これがいつまでも続くわけじゃないが。
この区間も信号が少ない。
区間の中盤で、ふくらはぎに攣りの予感。そういやPC1で購入した補給には、塩分がなかった。ついでに言えばボトルの中身は水。PC2までは保たせるとして、塩分補給はお味噌汁にしよう、と決める。休憩時間を短く抑えることは難しくなるが、致し方ない。
佐原市へ。伊能忠敬記念館のあたりは、何だか風情のある町並みだった。鰻の焼けるいい匂いも漂ってきたり、昼過ぎに通るには誘惑の多い箇所だったものの、当然、事前にお店を調べているでもなく、通行人に配慮してPC2へ。ここには別の機会に訪れて、食べ歩きしたいところだった。
PC2には2.5Hちょうどの到着。補給はカップ味噌汁とおにぎりを2つ。
昼を過ぎても気温は上がらず、予報ほどにも上がっていないと思えた。予報を過信したな、と、薄手のウインドブレーカのみの追加装備品を心許なく思う。

4-3. PC2"ローソン佐原北三丁目店" → PC3"セブンイレブン銚子犬吠埼店"(44.0km/2.0H/+173m/-153m)

グロス22.0km/hでスケジューリング。
PC2を出て利根川沿いへ。道の駅水の郷さわらには、サイコロライド以来。道の駅の後ろのCRを走ることを忘れてミスコース。
CRに出てからは、やや向かい風に煽られながら進む。
利根川を挟んで茨城側のほぼ同じ区間を、AJ千葉のブルベで走っている。あのときほど強烈な向かい風ではなかったものの、遮るもののない土手の上のこと、変わらぬ風景にテンションも体温もダダ下がりで、信号のまったくないにもかかわらず、進捗は伸びていかない。
心境も実態も、予定どおり2.0Hを目指す後退加減だった。CRへの一方的な苦手意識が高まっていく。
CRを終えたころには銚子市へ入っていた。ほっと息も吐くというもの。町並みを進み、犬吠埼には少し登っていく。
前回、犬吠埼に訪れたときは、雨の夜間だった。雨と夜に体温を奪われて、DNFを強く意識しながら、セブンイレブンの短い庇の下で、体育座りで仮眠を取ったことを覚えている。思い出的には苦い。
ともあれ。昼間の犬吠埼は初めてで、やたら立派な朱塗りの飯沼観音には、それなりにいい発見であった。予定どおりにはPC3へ着く。PCに見慣れない顔が多いなと思えば、同日開催の200kmのPCもここらしかった。
次の90km区間に備えて、塩分を改めて補給。水だけのボトルにもポカリスエットを詰め、可能な限り休憩を減らす方針に従った準備をする。
ここでウインドブレーカを着た。ジャケットの要求する強度を、PC4までの区間で維持できるとは思っていなかった。
ウインドブレーカについて言えば、CRに入った時点で着ておくべきだった。

4-4. PC3"セブンイレブン銚子犬吠埼店" → PC4"ローソン御宿新町店"(89.4km@4.5H/+380m/-386m)

後半だから優しいスケジューリング。……前半で力尽きると思ったに違いないグロス20.0km/hちょうど。
PC3を出れば、ドーバーラインに沿って進む。犬吠埼には少し登ることを知っていても、赤茶けた崖に波が砕けているさまを見ると、銚子って砂浜じゃなかったななと間抜けた感想も出るものだった。や、本当、風車が並んでいたり、崖上なんだなと。
……嫌がらせで土盛ったわけじゃなかったんだな。
ドーバーラインのアップダウンを進み始めて、予想は的中したというか、気づいたことがある。今日は、弱く追い風が吹いている。想定は的中したというわけだった。
追い風に加えて、これはもっと以前に経験則として知っておくべきだったことだけれど、じんわり汗ばむ程度に体温を維持してやると、脚も心肺も上手く回る。平坦且つ車道、横を過ぎるクルマからも風をもらって、進捗は予定を大きく上回っていく。
1時間が経てば25km進んでいた。2時間が経てば50kmだった。ワケが分からん。
このあたりで脳裏をチラついてきたのは、13時間台の完走。13.5Hは高望みが過ぎるにせよ、13.8Hの完走は、十分に現実味を帯びてきていた。
目指すか。夢の13時間台。残念ながら、やろうと思ってやれる脚力はないことだし、狙えるときに狙うべきだ。
PC4に辿り着いたとき、経過は、予定を1.0H上回る3.5Hだった(詳細には上表のとおり)。グロス25.7km/hとは、出来過ぎだ。
補給は手短に。0.25Hを厳守で済ませる。長っ尻が、ブルベの楽しみのひとつであることは、いまでも変わらない。ぼくが変わってしまったわけでもない。今回は、やらない。それだけのこと。

4-5. PC4"ローソン御宿新町店" → Finish"袖ヶ浦海浜公園"(63.3km@3.0H/+624m/-636m)

日は暮れていた。曇天の向こうの夕陽も、すぐに失くなった。
房総半島を東西に横断するこのルートも、ほとんどが初めてのものだ。ただし峠はない。
13時間台の完走には、この区間を、2.75H以内に終える必要がある。前半に登りが集中、終盤には信号のある市街が控える。脚はそれなりに残っているが、14.0Hを数分割れるかどうかが限度に思えた。 走り始めて2時間、進捗は44.0kmだった。残りは19km。本当にギリギリだ。いや、どちらかと言うとギリギリアウトなのか。推測を裏切ろうと試みたものの、この確度の高さはどうしたものk

<パシュ

あ。

すべての目論見が水泡に帰した瞬間だった。
完全に準備不足だった。実は昨夏に34mmハイトのホイールに更改しているが、更改すぐに右肩を骨折したために、これまでこのホイールでパンクをした経験がなかった。つまりCO2インフレータでパンクを直した経験がなく、42mmバルブでは、CO2インフレータに必要なバルブの突き出し量を稼ぐことが難しいとは、知らなかった。
だって。
タイヤの上から指で押してバルブの突き出しを稼がねば、インフレータの奥までバルブが刺さらず空気が入らんのに、空気を入れるとタイヤを押さえる指が空気圧に負けて離れて、バルブが引っ込んで、ええ、空気が漏れて……いく……。
低空気圧を諦めて(携行していたCO2ボンベ2本すべてダメにした)、走り出そうと思えば、チェーンキャッチャーの内側にチェーンが落ちている始末。いよいよ大の字で寝転がってやりたい気分だった。なんせほら、歩いたって認定に間に合う進捗なわけだし?
残り19kmでよかった、と思うべきなのだろう。どうにもならないタイミングで立ち行かなくなるよりは、ずっとよかった。
サドルにケツを下ろせず、ハンドルに体重を預けて回す。4年前の奥久慈300kmでも似たようなことをしたな、と思い出す。あのときは18.4Hかけて走った距離も、いまは14.0Hを割るために急げる程度には速くなった。それでよしとしたい。
そして。

実績ベースでは、300km Brevetのいちばん早い記録になる。複雑な気分だった。

5. PostScript

Rapha Pro Team Training Jacketの使用感は、ポケットの位置が高くてアクセスの悪いことを除けば不満がない。個人的には左前にあるファスナー付きの隠しポケットで、これは家鍵とクルマのキーを入れておくに好相性のものだった。タイトなつくりでちゃらちゃら鳴らないのだ。
Rapha Pro Team Winter Tights with padの使用感は、防寒についてはまったく、ケツの相性にはそれほど、というところだった。ただし膝裏にシワがより易く、走っていて不快。サイズが合わないのだろうか。それともつくりの問題か。
Apidura Road Frame Pack Smallの使用感に不満は少ない。フレームサイズの都合でダウンチューブまで寸が足らなかったり、そもベルトが短くてトップチューブには括れなかったりするが、走行中に左右に揺れて邪魔になることはなかった。寸を合わせるならMサイズなのだろうが、Sサイズは、フレームサイズ56でさえ、輪行袋やボトルに干渉する。
だがそれらのデメリットを差し引いても、バックパックとツールボトル、ジャージポケット、トップチューブバッグの役目をすっかり奪ってしまうこのアイテムには運用するメリットが勝る。
いまのところは。