BRM218千葉300km銚子

1. Summary

Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
Start -> PC1 50.1 km +531/-431 m 02/18 07:00 02/18 09:15 2.25 H 02/18 07:08 02/18 09:13 2.08 H
PC1 -> PC2 58.4 km +335/-419 m 02/18 09:30 02/18 12:00 2.50 H 02/18 09:23 02/18 11:54 2.51 H
PC2 -> PC3 44.0 km +173/-153 m 02/18 12:15 02/18 14:15 2.00 H 02/18 12:14 02/18 14:09 1.92 H
PC3 -> PC4 89.4 km +380/-386 m 02/18 14:30 02/18 19:00 4.50 H 02/18 14:35 02/18 17:59 3.39 H
PC4-> Finish 63.3 km +624/-636 m 02/18 19:15 02/18 22:15 3.00 H 02/18 18:13 02/18 22:16 4.06 H
Start -> Finish 305.2 km +2,043/-2,025 m 02/18 07:00 02/18 22:15 15.25 H 02/18 07:08 02/18 22:16 15.14 H

15.14Hにて認定完走。

2. Equipment

前シーズンから追加/変更/更改/削除した装備は下記のとおり。

  • Rapha Pro Team Training Jacket.
  • Rapha Pro Team Winter Tights with pad.
  • Apidura Road Frame Pack Small.

Rapha上下は、ASSOS上下の老朽化とより低気温環境下での走行を可能とするために導入。ちょうど冬季セールで安くなってたし奮発。
Apiduraフレームバッグ(S)は、バックパックの老朽化対応、トップチューブバッグの廃止が目的。ツールボトルとトップチューブバッグの中身をすっかり移して補給食を詰められるだけの容量が確保されていた。
今回のBrevetにおけるそれぞれの使用感は別記。

3. Schedule

行程の作成における変更は、各区間にはグロス20.0km/h↑を当然として組み込んだこと。400km/20,0H完走の目標に近づけるため。
ルートの確認はサボリ気味。1/4ほどは走ったことのない区間だが際立って障害となる峠等はなかったことによる。今回のキモは九十九里の向かい風だろうが、予報は曇天のため警戒度は低め。晴れなければ向かい風にならない、という経験則から。
*.gpxファイルの作成はRide with GPSを利用。RouteLabを今後、使うことはなさそう。

4. Actuals

4-0. 袖ヶ浦海浜公園

袖ヶ浦海浜公園到着は受付時間を過ぎてからだった。第二ウェーブの7:10スタートになったことは予定外。風は夜間に較べ弱くなったと聞いたが、カードに住所を書く手が悴んでいくくらいには、まだ寒いし風もあった。
ブリーフィングでは、ちょうど、ぼくが袖ヶ浦海浜公園に戻ってくる時間帯(21:00~22:00)に若干の降雨があると言っていた。ぬう。

4-1. Start@袖ヶ浦海浜公園 → PC1"ミニストップあすみが丘東店"(50.1km/2.25H/+531m/419m)

区間の獲得標高は、100km/1000mに倣うもので、グロス20.0km/hの基準からは0.25H縮めた。グロス22.3km/h。
曇天に暗い東京湾からスタート。荷物を減らすために意図して置いてきた雨具兼最終防寒具mont-bellレインジャケットが、早くも恋しい。
PC1までのルートはほとんどが初めて。袖ケ浦市を水平に西へ抜けて、大まかには圏央道の湾側を粗くなぞるようなシンプルなルートで、目立った峠はない。
プロフィールには見えにくいこととして、この区間は信号がほとんどない。ただし、ミスコースはし易い(2回)。
結果、0.20H程度縮めてPC1へ。第二ウェーブのスタートのため、体感的にも随分早く到着した印象がある。
PC1での休憩は控えめに。その場で口にしたのはゼリーとバナナ。ミニあんぱんはフレームバッグに詰めて、身体の冷えてしまう前にさっさと出る。
まあ、さっさと出たつもりでいたが、実際には10分間PCにいた。予定よりは短いが、もう少し縮めるには慣れを必要としそうである。

4-2. PC1"ミニストップあすみが丘東店" → PC2"ローソン佐原北三丁目店"(58.4km/2.5H/+335m/-419m)

行程の縮め方で言うなら、PC2までのこの区間もなかなかに乱暴だった。グロス20.0km/hから20%近くも減らしてどうしたかったのか。
空模様は県中央を北へ跨いでからも、どの方角にも晴れ間は見えず。風はなかった。
身体の冷える前にPC1を出ていたことは、脚の疲労こそ残すが、全体的には良い方向に影響していた。ジャケットの背面パネルは通気性がよく、運動強度を落とすと背中から冷えてしまうから、これがいつまでも続くわけじゃないが。
この区間も信号が少ない。
区間の中盤で、ふくらはぎに攣りの予感。そういやPC1で購入した補給には、塩分がなかった。ついでに言えばボトルの中身は水。PC2までは保たせるとして、塩分補給はお味噌汁にしよう、と決める。休憩時間を短く抑えることは難しくなるが、致し方ない。
佐原市へ。伊能忠敬記念館のあたりは、何だか風情のある町並みだった。鰻の焼けるいい匂いも漂ってきたり、昼過ぎに通るには誘惑の多い箇所だったものの、当然、事前にお店を調べているでもなく、通行人に配慮してPC2へ。ここには別の機会に訪れて、食べ歩きしたいところだった。
PC2には2.5Hちょうどの到着。補給はカップ味噌汁とおにぎりを2つ。
昼を過ぎても気温は上がらず、予報ほどにも上がっていないと思えた。予報を過信したな、と、薄手のウインドブレーカのみの追加装備品を心許なく思う。

4-3. PC2"ローソン佐原北三丁目店" → PC3"セブンイレブン銚子犬吠埼店"(44.0km/2.0H/+173m/-153m)

グロス22.0km/hでスケジューリング。
PC2を出て利根川沿いへ。道の駅水の郷さわらには、サイコロライド以来。道の駅の後ろのCRを走ることを忘れてミスコース。
CRに出てからは、やや向かい風に煽られながら進む。
利根川を挟んで茨城側のほぼ同じ区間を、AJ千葉のブルベで走っている。あのときほど強烈な向かい風ではなかったものの、遮るもののない土手の上のこと、変わらぬ風景にテンションも体温もダダ下がりで、信号のまったくないにもかかわらず、進捗は伸びていかない。
心境も実態も、予定どおり2.0Hを目指す後退加減だった。CRへの一方的な苦手意識が高まっていく。
CRを終えたころには銚子市へ入っていた。ほっと息も吐くというもの。町並みを進み、犬吠埼には少し登っていく。
前回、犬吠埼に訪れたときは、雨の夜間だった。雨と夜に体温を奪われて、DNFを強く意識しながら、セブンイレブンの短い庇の下で、体育座りで仮眠を取ったことを覚えている。思い出的には苦い。
ともあれ。昼間の犬吠埼は初めてで、やたら立派な朱塗りの飯沼観音には、それなりにいい発見であった。予定どおりにはPC3へ着く。PCに見慣れない顔が多いなと思えば、同日開催の200kmのPCもここらしかった。
次の90km区間に備えて、塩分を改めて補給。水だけのボトルにもポカリスエットを詰め、可能な限り休憩を減らす方針に従った準備をする。
ここでウインドブレーカを着た。ジャケットの要求する強度を、PC4までの区間で維持できるとは思っていなかった。
ウインドブレーカについて言えば、CRに入った時点で着ておくべきだった。

4-4. PC3"セブンイレブン銚子犬吠埼店" → PC4"ローソン御宿新町店"(89.4km@4.5H/+380m/-386m)

後半だから優しいスケジューリング。……前半で力尽きると思ったに違いないグロス20.0km/hちょうど。
PC3を出れば、ドーバーラインに沿って進む。犬吠埼には少し登ることを知っていても、赤茶けた崖に波が砕けているさまを見ると、銚子って砂浜じゃなかったななと間抜けた感想も出るものだった。や、本当、風車が並んでいたり、崖上なんだなと。
……嫌がらせで土盛ったわけじゃなかったんだな。
ドーバーラインのアップダウンを進み始めて、予想は的中したというか、気づいたことがある。今日は、弱く追い風が吹いている。想定は的中したというわけだった。
追い風に加えて、これはもっと以前に経験則として知っておくべきだったことだけれど、じんわり汗ばむ程度に体温を維持してやると、脚も心肺も上手く回る。平坦且つ車道、横を過ぎるクルマからも風をもらって、進捗は予定を大きく上回っていく。
1時間が経てば25km進んでいた。2時間が経てば50kmだった。ワケが分からん。
このあたりで脳裏をチラついてきたのは、13時間台の完走。13.5Hは高望みが過ぎるにせよ、13.8Hの完走は、十分に現実味を帯びてきていた。
目指すか。夢の13時間台。残念ながら、やろうと思ってやれる脚力はないことだし、狙えるときに狙うべきだ。
PC4に辿り着いたとき、経過は、予定を1.0H上回る3.5Hだった(詳細には上表のとおり)。グロス25.7km/hとは、出来過ぎだ。
補給は手短に。0.25Hを厳守で済ませる。長っ尻が、ブルベの楽しみのひとつであることは、いまでも変わらない。ぼくが変わってしまったわけでもない。今回は、やらない。それだけのこと。

4-5. PC4"ローソン御宿新町店" → Finish"袖ヶ浦海浜公園"(63.3km@3.0H/+624m/-636m)

日は暮れていた。曇天の向こうの夕陽も、すぐに失くなった。
房総半島を東西に横断するこのルートも、ほとんどが初めてのものだ。ただし峠はない。
13時間台の完走には、この区間を、2.75H以内に終える必要がある。前半に登りが集中、終盤には信号のある市街が控える。脚はそれなりに残っているが、14.0Hを数分割れるかどうかが限度に思えた。 走り始めて2時間、進捗は44.0kmだった。残りは19km。本当にギリギリだ。いや、どちらかと言うとギリギリアウトなのか。推測を裏切ろうと試みたものの、この確度の高さはどうしたものk

<パシュ

あ。

すべての目論見が水泡に帰した瞬間だった。
完全に準備不足だった。実は昨夏に34mmハイトのホイールに更改しているが、更改すぐに右肩を骨折したために、これまでこのホイールでパンクをした経験がなかった。つまりCO2インフレータでパンクを直した経験がなく、42mmバルブでは、CO2インフレータに必要なバルブの突き出し量を稼ぐことが難しいとは、知らなかった。
だって。
タイヤの上から指で押してバルブの突き出しを稼がねば、インフレータの奥までバルブが刺さらず空気が入らんのに、空気を入れるとタイヤを押さえる指が空気圧に負けて離れて、バルブが引っ込んで、ええ、空気が漏れて……いく……。
低空気圧を諦めて(携行していたCO2ボンベ2本すべてダメにした)、走り出そうと思えば、チェーンキャッチャーの内側にチェーンが落ちている始末。いよいよ大の字で寝転がってやりたい気分だった。なんせほら、歩いたって認定に間に合う進捗なわけだし?
残り19kmでよかった、と思うべきなのだろう。どうにもならないタイミングで立ち行かなくなるよりは、ずっとよかった。
サドルにケツを下ろせず、ハンドルに体重を預けて回す。4年前の奥久慈300kmでも似たようなことをしたな、と思い出す。あのときは18.4Hかけて走った距離も、いまは14.0Hを割るために急げる程度には速くなった。それでよしとしたい。
そして。

実績ベースでは、300km Brevetのいちばん早い記録になる。複雑な気分だった。

5. PostScript

Rapha Pro Team Training Jacketの使用感は、ポケットの位置が高くてアクセスの悪いことを除けば不満がない。個人的には左前にあるファスナー付きの隠しポケットで、これは家鍵とクルマのキーを入れておくに好相性のものだった。タイトなつくりでちゃらちゃら鳴らないのだ。
Rapha Pro Team Winter Tights with padの使用感は、防寒についてはまったく、ケツの相性にはそれほど、というところだった。ただし膝裏にシワがより易く、走っていて不快。サイズが合わないのだろうか。それともつくりの問題か。
Apidura Road Frame Pack Smallの使用感に不満は少ない。フレームサイズの都合でダウンチューブまで寸が足らなかったり、そもベルトが短くてトップチューブには括れなかったりするが、走行中に左右に揺れて邪魔になることはなかった。寸を合わせるならMサイズなのだろうが、Sサイズは、フレームサイズ56でさえ、輪行袋やボトルに干渉する。
だがそれらのデメリットを差し引いても、バックパックとツールボトル、ジャージポケット、トップチューブバッグの役目をすっかり奪ってしまうこのアイテムには運用するメリットが勝る。
いまのところは。