BRM617千葉600kmもてぎクラシック反時計回り

1. Summary

Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
Start -> PC1 39.4 km +478/-470 m 06/17 07:00 06/17 09:00 2.00 H 06/17 07:20 06/17 10:02 2.73 H
PC1 -> PC2 50.4 km +594/-578 m 06/17 09:15 06/17 11:45 2.50 H 06/17 10:14 06/17 12:17 2.05 H
PC2 -> PC3 51.4 km +578/-459 m 06/17 12:00 06/17 14:30 2.50 H 06/17 12:33 06/17 14:53 2.33 H
PC3 -> PC4 51.7 km +675/-811 m 06/17 14:45 06/17 17:15 2.50 H 06/17 15:38 06/17 18:10 2.53 H
PC4 -> PC5 64.9 km +430/-393 m 06/17 17:30 06/17 20:45 3.25 H 06/17 18:30 06/17 21:34 3.07 H
PC5 -> PC6 52.4 km +291/-295 m 06/17 21:00 06/17 23:30 2.50 H 06/17 22:09 06/18 00:44 2.58 H
PC6 -> PC7 72.2 km +729/-670 m 06/17 23:45 06/18 05:30 5.75 H 06/18 02:19 06/18 07:20 5.02 H
PC7 -> PC8 69.6 km +904/-990 m 06/18 05:45 06/18 09:45 4.00 H 06/18 08:06 06/18 12:08 4.03 H
PC8 -> PC9 47.7 km +260/-235 m 06/18 10:00 06/18 12:30 2.50 H 06/18 12:31 06/18 14:55 2.40 H
PC9 -> PC10 59.9 km +527/-527 m 06/18 12:45 06/18 15:45 3.00 H 06/18 15:18 06/18 18:56 3.63 H
PC10 -> Finish 41.2 km +468/-499 m 06/18 16:00 06/18 18:00 2.00 H 06/18 19:25 06/18 21:58 2.60 H
Start -> Finish 600.8 km +5,934/-5,927 m 06/17 07:00 06/18 18:00 35.00 H 06/17 07:20 06/18 22:12 37.80 H

37.80Hで完走。認定は38.80Hという、ちょっと差があるけれど、些末なこと。

2. Equipment

服装。

  • Rapha Pro Team Training Short Sleeve.
  • Redwhite The Bib.
  • UnderArmour HeayGear Compression.
  • Reric Draco UV LegCover.
  • GRIPPP! SF

バイク収容。

  • Apidura Road Frame bag small.
  • ORTLIEB Saddlebag L.

Raphaジャージはシリーズが消えてしまうと聞いて、冬の開けごろに調達しておいたもの。右バックポケットのサイドにジップ付きポケットがあったのが購入の決め手。持ち歩かねばならないカギ類を、ジャージにしまっておけるのがいい。
RedWhiteのThe Bibは、Brevetには初投入。昨年の諏訪湖600でrericビブの老朽化を感じて以来、秋ごろに候補に挙がったもの。ケツも割れなかったし、よかった。
追加の防寒具として、ウインドブレーカとmont-bell GORE-TEXレインジャケットをサドルバッグに詰めておいた。収容に絡むがレインジャケットはサドルバッグへ収容したことで、ツールボトルがボトルケージに復活。
GRIPPP!SFは、先代GRIPPP!SFが、昨夏にRIPPP!になったことをすっかり忘れていて、慌てて調達した。bike24が間に合ってよかった。細かなことでは2.0へ製品バージョンが上がっていて、一言ではよくなっていた。二言ではベルクロの余長が伸びて手の甲に恥ずかしいスポット日焼けを作らずに済んだこと、ハナをかんだりするときに使う部分がタオル地からスエード調になっていたこと。ハナが上手くかめました。
収容のアイテムはそのまま変わらず。600kmの想定に不足がないとは400kmのときにも感じていたが、まあそのとおり。Apidura DryBagの出番がない。
上記に挙がらないものとして、アミノバイタルプロ顆粒を2日分、6袋。

3. Schedule

天気予報では、2日目である6/18が曇りのち雨の予報(千葉県)。終盤に降られることは承知のうえ、スケジュールは晴天且つドライコンディションを想定。
前回のもてぎクラシック反時計回りは37.5Hの実績。去年の時計回りでは35.5H。反時計回りのほうが難易度の低い印象で(終盤の志駒渓谷とマザー牧場への登りの印象が最悪なんだと思う)、ただし最近の左アキレス腱不調に始まる走行不足を無視した結果、35.0Hとなった。
仮眠は2.0Hでアスファルトお布団にごろ寝の想定。場所は未定。前回の仮眠ポイントである御老公の湯はルートから5kmほど離れているため、候補から除外。行きたくなったら行こうかな、くらいのつもり。
真摯な準備では、出走前1週間の睡眠時間を7時間以上に保ったことと、前日に休暇を確保とカフェインを断ち、眠気に任せて眠っておいたこと。
誤解を恐れず言えば、こなせる予定をこなせるように組んだだけ。挑戦と冒険を排してしまったスケジューリング。だから終盤、状況が荒れまくって先行きが心底分からなくなるまでは、モチベーションは低く推移していた。

4. Actuals

4-0. 袖ヶ浦海浜公園

いつものようにクルマで移動。フロアポンプの積み忘れに気づいたのは、保土ヶ谷バイパスに乗ったときのことだった。手遅れもいいところ。
なおタオルと下着も積み忘れていたのだけれど、それに気づいたのは、走り終えてからのことだった。
到着はブリーフィングの始まったころのこと。第三ウエーブ7:20の出走。

左アキレス腱へのダメージ緩和対策として、ソックスは足首まで覆うものをチョイス。ついでに薄手のソックスにしてみた。 そして今回の装備一式。

4-1. Start@袖ケ浦海浜公園 → PC1"セブンイレブン富津更和店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
Start -> PC1 39.4 km +478/-470 m 06/17 07:00 06/17 09:00 2.00 H 06/17 07:20 06/17 10:02 2.73 H

いつものコース。雨もないし。コースに関して、もはやコメントはない。袖ヶ浦市から鹿野山、マザー牧場を経て富津市へ降りるルート。
さて。最たる不安である左アキレス腱は、準備運動と暖機で緩和できることはリハビリで確認済み。序盤のペースは抑えて進む。
で。マザー牧場前を通過して最初の右ヘアピンに差し掛かったときに、「手伝って!」と両手を振るランドヌールに会った。トラブルかな?と停まってみれば、落車したランドヌーズがガードレール下に突っ込んで動かなくなっていたところだった。……やべえ。
彼も停まったばかりで、救急車の手配はまだとのこと。落車したかたも、朦朧ながら意識はあった。彼に介抱を頼み、ぼくが救急車を手配する。後続のランドヌールも停まってくれ、AJスタッフへの連絡を買って出てくれた。
救急隊→警察→AJスタッフの順で到着し、現場を離れたのは停車から1.25H後。下の箇条書きは、今後(ないことを祈るが)の備忘録。

  • 現場の住所が分からないときは、向こうの指示に従う。向こうはこちらのGPSを掴んでいる。
  • 搬送先の病院は必ず聞く(AJスタッフが緊急連絡先へ伝えるため)。AJスタッフの連絡先はブルベカードに記載されている。
  • 対応には『介抱するひと』『救急車を手配するひと』『AJスタッフへ連絡するひと』の最低3人が要る。

「手伝って!」って言えるのはすげえなって思う。
救済措置は1.0H。ぼくが第3ウエーブの出走のため、6/19(月)00:20までに戻ればいいことになる。

序盤なのに蛍光ベストのないPC1とは新鮮。寂しいし急ぐ。

4-2. PC1"セブンイレブン富津更和店" → PC2"セブンイレブン白浜滝口店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC1 -> PC2 50.4 km +594/-578 m 06/17 09:15 06/17 11:45 2.50 H 06/17 10:14 06/17 12:17 2.05 H

コースはいつものとおりなので割愛。志駒渓谷は、序盤ならいいけど終盤には気の重い場所だよねってくらい。信号も少ないので、気づけば2.05Hで走破していた。
強いて言えば、今年も、無事、BINGOバーガー食えませんでした。

そしてPC2で、蛍光ベストの群れの尻尾に追い着く。

4-3. PC2"セブンイレブン白浜滝口店" → PC3"ミニストップ君津笹店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC2 -> PC3 51.4 km +578/-459 m 06/17 12:00 06/17 14:30 2.50 H 06/17 12:33 06/17 14:53 2.33 H

もてぎクラシックに限らず走っているこのルート、今回は誤算があって。晴れの午後なのに海岸線がすべて向かい風。できれば2.0Hに縮めてしまいたかった区間だが、風はどうにもならんしな。諦めて耐える。
徐々に心肺に疲れが溜まっていく。意識してペースは落としていたつもりなのに。いちばん大きいツケとはいえ、早いな。

4-4. PC3"ミニストップ君津笹店" → PC4"ローソン一宮海岸店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC3 -> PC4 51.7 km +675/-811 m 06/17 14:45 06/17 17:15 2.50 H 06/17 15:38 06/17 18:10 2.53 H

三石山を越えて新筒森トンネルを過ぎると、……Edge810がshutdownしてた。完走後のことではあるけれど、ERR_RPT_Log.csvにはBad memory handleのErr Msgが記録されてた。ぐぐって回答出てこないかなあ。
Edgeのせいだけではないけれど、どうにもモチベーションが低く推移していたから、この区間の後半からgdgdな走り方になってた。計画値からは10分ほどの遅れでPC4に着いていたわけだし。

ただ、最初の200kmにまとめれば、進捗は思っていたよりよかった。前回は10.8Hで、今回は正確には9.8Hくらいだったりする。

全行程の1/3が終わったとあって、参加者も長っ尻が多かった。やはり滝口→鴨川間の海岸線沿いの向かい風は、誤算であったよう。

4-5. PC4"ローソン一宮海岸店" → PC5"セブンイレブン下総成井店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC4 -> PC5 64.9 km +430/-393 m 06/17 17:30 06/17 20:45 3.25 H 06/17 18:30 06/17 21:34 3.07 H

Edge810が再び死ぬ。今度はフリーズ。ただしEdge810自体は動作しているつもりなのか、何らかのプロセス応答待ちになってんじゃないかなと思う。電源ボタン長押しで強制再起動をかければ直るんだけど、ERR_RPT_Log.csvにはAbnormal Powerdownときた。ぼくが悪いみたいじゃないか……。
九十九里浜もほぼ向かい風。海岸沿いの有料道路が津波対策の工事で封鎖のため、交通量は多かった。日が暮れていく。平坦な千葉東部から、西の空の朱色が夜にくすんでいくのが分かる。さて久々のオーバーナイト、何処までどう進めたものか。
九十九里浜から芝山はにわ道へ進んで成田空港の脇を抜けて、ゴルフ場ひしめく千葉県北部へ。PC5に着いてみれば、当初行程から0.8Hの遅れ、救済とウエーブ差分を入れると、0.5H先行している状況だった。

ここで晩ごはん。行程の貯金を切り崩すことにする。

ついでにEdge810の設定を見直す。GPS以外の全センサーを拒否るクソっぷり。原因はさっぱりだが、BlueTooth連携がEnableになってたから、Disableにしてみる。Edge810側で不特定からの連携を待ち受けているとしたら、BT連携のプロセスじゃないかなあという粗い推測のもと。
まったく根拠はないので単なる偶然だけれど、このあと、Edge810はGPSロガーとして停止せずに稼働し続けた。この野郎。

4-6. PC5"セブンイレブン下総成井店" → PC6"セブンイレブン玉造上山店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC5 -> PC6 52.4 km +291/-295 m 06/17 21:00 06/17 23:30 2.50 H 06/17 22:09 06/18 00:44 2.58 H

コースに特筆すべき点はない。茨城県に入りました、というくらい。
このあたりで、暇に空かせて仮眠ポイントをどうするか、ずっと考えてた。御老公の湯か道の駅かアスファルトの三択しか持ち得ていないとはいえ。眠気に関して言えば、出走前1週間の睡眠時間を確保しておいた御蔭で、朝まで保ちそう。御老公の湯は往復10kmの手間がうっといし、道の駅はかつらまで行かなきゃで明け方に眠れるかどうか。
……アスファルトかな。
この区間の途中で、時計回りのランドヌールとすれ違っていく。思い出す。もてぎクラシックは、後半PCにメシがない。

PCの駐車場で、寝てるランドヌールがちらほら。エマージェンシーブランケットに包まって寝るかたも。そうか……ああやって仮眠に使ってもいいんだな……お高いのに。ともあれ、時間もちょうどいい。ウインドブレーカを着て、ここで1.0H寝ていくことにする。ごろり。

4-7. PC6"セブンイレブン玉造上山店" → PC7"セブンイレブン茂木バイパス店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC6 -> PC7 72.2 km +729/-670 m 06/17 23:45 06/18 05:30 5.75 H 06/18 02:19 06/18 07:20 5.02 H

仮眠から覚めて出発。この区間で1.0Hの仮眠を消化していて、実走行時間が4.02H/72.2kmとなるから、後々に響くスローペースだった。
丑三つ時から夜明けまではとくに眠くもならず、捗々しくない進捗を刻んでいく。ケツが痛いとか股ズレが起きたとかでなく、心拍の動きは鈍いがそれ以上に熱意がない時間帯だった。
仮眠はルート上の自販機コーナー。コの字に並んだ自販機の中央にベンチがあって、屋根もあったので、そこにした。予算を消化する意味合いの強い仮眠ではあったけれど、恐れるのは2日目終盤に眠くなること。その点では、予算消化であっても夜間の仮眠は時間の許す限り取っておきたい。

ログを見返すと随分長っ尻していたようなんだけど、うんこでもしてたのかな。
FGOログインボーナスもここで取得しました。

4-8. PC7"セブンイレブン茂木バイパス店" → PC8"ファミリーマートつくば桜金田店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC7 -> PC8 69.6 km +904/-990 m 06/18 05:45 06/18 09:45 4.00 H 06/18 08:06 06/18 12:08 4.03 H

もてぎクラシックでもっとも山岳な区間。栃木・茨木県境の仏ノ山峠、裏道祖神峠、裏不動峠の3つ。
仏ノ山峠は気づけば終わってたし、裏道祖神峠はいつものとおり39-28Tでじっと耐えただけ。裏不動峠はブリーフィングにあったとおり、長い封鎖を解かれたばかりで、苔も落ち葉も多く、時計回りのランドヌールたちの苦労が偲ばれた。転ぶわ、あれ。
そして表不動峠不動峠の封鎖は崩落の対応だったそうで、再舗装してるのかと勝手に思っていたぼくが悪いのだけれど、舗装状況はぼくが通っていたころと同じく、悪いまま。レースが行われている峠道とは思いたくない荒れかた。挙句、対向側に自転車ナビラインが描かれていたのにはイラッときた。予算かけるところ、そこじゃねえ。舗装直して。
不動峠を下りて、平沢官衙遺跡の水道をお借りして顔と頭を洗ってしまおうと思っていたぼく。

チーム練習の成果を称え合うサイクリスト、男女混合で不動峠を練習にきたサイクリストが、揃って「あのばっちいおっさんなに……?」と視線を向けてきた。居た堪れなくなってドクペ飲んですごすごとルートに戻る。うう。

行程から1.0Hの遅延。各区間の走行時間に大きな遅れは出ていないから、PCでの長っ尻が響いた結果。このころはまだ35.0Hを諦めていなくて、鉄腕DASHをクルマのなかで見ようかな、とか呑気なことを考えていた。

4-9. PC8"ファミリーマートつくば桜金田店" → PC9"セブンイレブン因幡瀬戸店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC8 -> PC9 47.7 km +260/-235 m 06/18 10:00 06/18 12:30 2.50 H 06/18 12:31 06/18 14:55 2.40 H

そして千葉県へ帰ってくる。区間実績は予定を上回っているけれど、この区間も信号は少ないので走行速度自体はのろのろもいいところ。モチベーションは低いままのため。

PC9手前で、遂に雨が降ってきた。土曜朝の予報は、午後いっぱいが1,2mm程度の降雨。AJスタッフさんに、このあとの区間は雨が強くなっているから注意してねーと言われ、雨雲レーダーを見せてもらうと、千葉中央から南部に動いていく黄緑色の範囲が見えた。

その色は、10mm/h↑の大雨だから。小雨じゃねえから。

すぐさまレインジャケットを羽織る。脇の下ベンチレーションは全開にしておく。蒸れる。
残り100kmにして、ようやっと火が点いた。いや、速度は上がらないけれど。

4-10. PC9"セブンイレブン因幡瀬戸店" → PC10"セブンイレブン市原原田店"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC9 -> PC10 59.9 km +527/-527 m 06/18 12:45 06/18 15:45 3.00 H 06/18 15:18 06/18 18:56 3.63 H

南に向かうにつれ雨脚は強くなっていった。雨雲は厚ぼったくないが、雨粒は重かった。路肩は水没、坂道の多くは滝になっていた。水没した箇所は走れず道路の中央に寄っていかざるを得なくなれども、轍の水没には付き合わねばならなかったり、後続車に道を譲ればリムまで浸かるような水溜まりに突っ込んだりと、危機管理に集中力の多くを割き続ける状況だった。
まあ、集中力を注ぎ込んでなお、路面の照り返しに隠れた穴ぽこ(水溜まり)にフロント荷重で突っ込んで、リム打ちパンクやらかしたのだけれど。日の暮れる前でよかった。

セブンイレブンに罪はないが(本当に)、ひさしが短い店舗設計のために、雨天のPCがセブンイレブンだと、メシも何もズブ濡れのままこなすことになる。
ズブ濡れで補給しながら、最後の40kmを思う。幽谷通り手前の区間は、この雨では危ない。人家は乏しく、両脇に生えた笹が覆うように空を隠していつも薄暗く、舗装も悪い。雰囲気がキマり過ぎなのだ。なんか出そうでめっちゃ怖い。
予備チューブは1本。予備タイヤは1本。ライトは保つ。脚は残し過ぎた。眠気は若干。体温も奪われてきているが、低体温や凍えには至っていない。日は暮れてきた。雨はこれからも強くなる実況値。2時間待てば止むかどうか。
無理はしなくちゃならない。でも無茶はしてはならぬ。
では、はたして次の区間は、無理と無茶どちらなのか。
無茶に類する、と結論を出した。だが残り40km、やってよい無茶はひとつだってないが、やれてしまう無茶はある。
レインジャケットを脱いで、ウインドブレーカを下に着る。ベンチレーションを締めてレインジャケットを着て、走り出す。

4-11. PC10"セブンイレブン市原原田店" → Finish"袖ヶ浦海浜公園"
Section Distance Elevation Depart(p) Arrive(p) - Depart(a) Arrive(a) -
PC10 -> Finish 41.2 km +468/-499 m 06/18 16:00 06/18 18:00 2.00 H 06/18 19:25 06/18 21:58 2.60 H

雨脚は強くなる一方。PC10で止むまで待ってよかったかなと、終始思っていた。信号で停まる都度、レインジャケットのフードを裏返す。ばしゃあと聞こえて背中が軽くなる。そのくらい降っていた。
恐れていた幽谷通り手前の区間、雨で靄がかかり視界は乳白色になっていく。空を覆う笹から垂れる雨粒がバタバタとうるさい。ペダルを踏むたび、キャップのつばから大きな水滴が左右に飛んでいく。全3灯を点けたフロントは明るいが、ライトが生む影が何かに見えて本当におっかない。現実的な恐怖では、小さく登って小さく下るこの区間、ブレーキの引きしろも随分減っていた。リムが削れて鳴く。勘弁してくれ。
幽谷通りを過ぎ、K143を進めば街の灯が増えていく。37時間ぶりに文明に帰ってきた。
で。海岸に近づき潮の香りが、やっと終わるのだという感慨も湧くが、すべて吹き飛ばす潮風に真正面からブッ叩かれて、溜め息も出なかった。
もう時間なんざどうでもいいからちゃんと終われ。終わってくれ、終わらせるから。

tweet忘れてた。
ぼくが公園のドームに戻ったとき、名前を呼ばれて迎えられたので、なんだいぼく何かやらかしたかい、と思ったのだけれど、逆で。無事に戻ってきたのを喜ばれたのだった。もう少し言うと、24時回っても制限時間内のランドヌールが帰ってきたからてっぺん回る前に帰れるぞー!ということと、事故を見て引き込まれず無事に帰ってきたことを喜んでもらったのだけれど。後者に関して言えば、事故対応に当たった3名のうち、ぼくだけが完走した。ほか2名はDNFだったそう。
ともあれ。
翌日が出勤の身としては早々に帰らねばならず、ロールキャベツとゆで卵をいただいてクルマへ。そこでタオルと下着を忘れていたことに気づき、しばし雨に打たれるまま己の不出来を嘆いた。

5. PostScript

箇条書き。

  • Rapha ProTeam Training Jersey.
    • 運動強度が不足すると背中がよく冷える。肩は冷えず。
    • 汗溜まり、生地モタつきはなし。長時間着用のストレスはなかった。
    • 運用時は運動強度の維持が是。
  • Redwhite The BIB.
    • 裾の締め付けが弱く、レッグカバーがずり落ち易い。長めのカバーがよい。
    • ハンドルの遠くなったころのケツ荷重を、複層構造パッドが上手く耐えてくれた。最高。
    • ズブ濡れになったあともケツとパッドのズレは起こらず。晴天時と同じ感覚で使えた。最高。

次回はBRM715ハートか8月に適当に。