SR600KW

2019年に走った結果を1.5年塩漬けにしたもの。

1. 1行まとめ

SRおじさん'sはSR600KWを2泊3日で攻略しました。

2. 走り出すまで

2.1. 人権あるSR600

SR600KWの攻略にあたって、SRおじさん'sは『人権あるSR600』をお題目に掲げた。
同時出走予定5名のうち2名がSR600童貞であること、洋モノまでこなしたSR600玄人からもタイムアタックや野宿前提のスケジュールは嫌だという意見が挙がったことが背景にある。
嫌だと思うことを引っ繰り返していって、SRおじさん'sがたどり着いた人権は、具体的には以下3つ。

  • 毎晩お布団で寝たい
  • 毎晩お風呂に入りたい
  • 晩ごはんは椅子に座って食べたい

これらをすべて叶えようとすると、SR600KWは2泊3日の温泉慰安旅行のような何かになる。

2.2. 大行程の作成

2019年5月時点で、SR600KWは攻略されている。
やあこの日は何処まで走ろうかなんて、机上で試行錯誤する必要はほとんどなく、先人のログと自分の実績を突き合わせれば、心配性も走り出せるくらいには情報も揃う。
SRおじさん'sもTwitterをぺろっと検索して、先人に質問したりして集めた情報から2泊3日の大行程を作り上げた。

Table 2.1にSRおじさん'sの大行程を示す。上昇や下降の値はRWGPSを使用して作成したルートを積み上げた数字だが、トンネルや橋は未補正だ。

Table 2.1 SRおじさん'sのSR600KW(大行程・予定)

距離 上昇 下降 出発 到着 所要
6/21(金) PC1 那須勝浦町(PC8-9) 246.2 km 7,440 m 7,454 m 05:00 18:00 13:00
6/22(土) 那須勝浦町 龍神温泉(PC12-13) 186.5 km 7,029 m 6,621 m 05:00 18:00 13:00
6/23(日) 龍神温泉 PC18 174.1 km 3,555 m 3,963 m 05:00 16:00 11:00

大行程の作成にさいして、SRおじさん'sが決めたことは2つ。宿泊地と各日の出発時間だ。

1泊目:
選択肢があるようでほとんどない。
早朝発の2泊3日では、1泊目の宿泊地に新宮市那須勝浦町以外を選ぶことが難しい。PC8以前では1日目の進行が足りないし、PC9以後ではレイトチェックインを望むのが難しいからだ。
ただ、一番の理由はPC9-10の悪路にある。少なくとも初見プレイで夜間は止めたほうがいい。

2泊目:
PC15周辺か、PC13手前の龍神温泉かの2案が挙がった。それぞれメリット・デメリットのある候補地ではあるが、結局はざくさん龍神温泉浸かりてえっつったんで、龍神温泉に決まった。気軽に来られる立地でもないし、この機会を逃していつ浸かるのかとは、そのとおりではある。

出発時間:
1日目は5:00で申請した。PC5-6を警戒して直前になって6:00から早めたが、結果論ではこの選択は正しかった。
2,3日目は仮に置いたものだ。その日の行程を反映したものではない。走ってみて、翌朝の出走時間をみんなで話して決めようって整理にしていた。机上と実績の乖離を埋めるには、他に方法も思いつかない。

2.3. 個人的な行程表

SRおじさん'sでは、大行程から分解した行程を共有していない。
晩ごはんを一緒するという点で、各位の行程に無頓着でよい理由も弱いものだが、これはGoogle Mapの位置共有で解決している。位置共有が生きている限り、遅れの見込み時間さえ細かに連絡する必要はないからだ。

それはさておき、ぼくが細かく行程を作っておかない理由も同様にない。各PCにOpen/Closeがないからって、到着の目安も決めず走り出すのは、ぼくが心情的に無理だ。胃が痛くなる。

Table.2.2に、ぼくの大行程を示す。各日の予定は、区間を楽観寄り実績ベースで見積もり、フォトチェックに5分を見て積み上げたものをサマったものだ。
到着差は、SRおじさん'sの大行程との差だ。

Table 2.2 HaugfolkのSR600KW(大行程・予定)

距離 上昇 下降 出発 到着 所要 到着差
6/21(金) PC1 那須勝浦町(PC8-9) 246.2 km 7,440 m 7,454 m 05:00 20:15 15:15 + 2:15
6/22(土) 那須勝浦町 龍神温泉(PC12-13) 186.5 km 7,029 m 6,621 m 05:00 17:05 12:05 - 0:55
6/23(日) 龍神温泉 PC18 174.1 km 3,555 m 3,963 m 05:00 15:40 10:40 - 0:20

6/21(金)の予定が、SRおじさん'sと大きく離れている理由は、PC5-6(89.0km +3,709/-3,892m)にビビって6.0Hも盛ったせいだ。R169で七色ダムを目指すこの区間はトンネルが多いから、RWGPSの上振れは大きいと分かる。分かるが、何となく確からしい数字にも落とし込めなかった。
一方で6/22(土)は、前日との距離差は60kmあるがほぼ同じだけ登るのに、3.0Hも縮めた予定を組んでいる。各区間の計画値は別表に展開するとして、ぼくはこの2日目をどうしたかったのか。飽きたんだと思うけど、このときのぼくは、ぼくに何を期待していたのか。

3. 走り終えて

3.1. SRおじさん'sの誤算

Table 3.1に、SRおじさん'sの大行程(実績)を示す。3日間天候には恵まれ、雨や風が行程に影響することはなかった。実績値はぼくのログを使用している。GPSが拾えなかったりミスコースしたりしているので、獲得標高や距離は一部不正確であることは述べておく。

Table 3.1 SRおじさん'sのSR600KW(大行程・実績)

距離 上昇 下降 出発 到着 所要 予実差
6/21(金) PC1 那須勝浦町(PC8-9) 245.8 km 3,736 m 3,692 m 05:00 20:00 15:00 + 02:00
6/22(土) 那須勝浦町 龍神温泉(PC12-13) 188.3 km 3,767 m 3,333 m 04:00 19:00 15:00 + 02:00
6/23(日) 龍神温泉 PC18 180.6 km 2,403 m 2,813 m 04:00 15:30 11:30 + 00:30

宿泊地に変更はない。遅延は除いて、変更は2,3日目の出発時間は1.0H繰り上げたことだけだ。
出発時間1.0Hの繰り上げは、1,2日目の予実差2.0Hが理由になる。この2日間の遅れの原因は共通していて、急勾配な上りによる負債を、急勾配な下りでは返済できなかったためだ。具体的にはPC2-3の和泉葛城山、PC10-11の玉置山のことだ。ぼく個人では計画からそれぞれ0.5H近く遅れている。
実際に2,3日目の出発時間を決めるときも、「下りで稼げない」とは5人の共通意見だった。SR600KWを下りで取り返す方針で計画するのは、上手い選択ではなさそうだ。

走り出す前と見方の変わったものはいくつかある。

DNFの判断は何処でする?:
走り出す前までは、龍神温泉の天候を気にしてばかりいた。龍神温泉は雨に弱い。累積雨量150mmに迫りR371とR425が通行止めが現実味を帯びれば、雨中に(下手すれば夜間に)最寄りの紀伊田辺駅(45km)まで向かう決断を迫られるからだ。
だが走り終えてみると、1日目朝に和泉葛城山が濡れていたらDNSがいいんじゃないかという意見がちらほら挙がった。ドライでさえディスクローターは触れるだけで水ぶくれになるほど加熱していたし(つまりやった)、これが雨なら、スッ転ばずに下山できるかどうかにお祈りが混じってくる。
龍神温泉に関しては走り出す前と後で変わらない。公共交通機関の近い2日目朝(那須勝浦町)で判断するよりないのだろう。

2日目の補給は難しい?:
SR600KWには、245km地点の那須臨海Sから約300kmに亘り、24H営業コンビニの空白地帯がある。空白地帯に点在する個人商店は、Google Mapから営業時間を確認できないものばかりで、いよいよ安全策に振り切るとなると、那須臨海Sで最大1.5日分のカロリーを買い溜める必要さえ出てくる、という懸念。
走り終えれば、半分は嘘と分かった。
飲料は自販機頼りになる。飲むものの自由は限られるし、マメな買い足しをしないと玉置山の湧き水をがぶ飲みしなくちゃいけなくなるのは確かだ。ただ、食事に関しては、Aコープやコミュニケーションストア、ドライブインだけで十分足りた。腰を落ち着けて食べるのも、走りながらお惣菜を摘むのも、どちらも不自由は少ない。那須臨海Sで用意すべきは十津川温泉あたりまでの半日ちょっとのカロリー。おおよそ、懸念は杞憂に終わった。

3.2. 個人成績

Table 3.2に、ぼくの大行程(実績)を示す。予実差は、ぼくの所要時間の計画値と実績値の差。

Table 3.2 HaugfolkのSR600KW(大行程・実績)

距離 上昇 下降 出発 到着 所要 予実差
6/21(金) PC1 那須勝浦町(PC8-9) 245.8 km 3,736 m 3,692 m 05:08 19:28 14:20 - 00:55
6/22(土) 那須勝浦町 龍神温泉(PC12-13) 188.3 km 3,767 m 3,333 m 04:14 18:29 14:15 + 02:10
6/23(日) 龍神温泉 PC18 180.6 km 2,403 m 2,813 m 03:54 14:32 10:38 - 00:02

予実差については、以下のとおり。

1日目:
PC2-3の和泉葛城山の下りでは計画値1.0Hに対して0.4H遅れ。急勾配に加え再舗装が雑で制動のままならない箇所があり、思うように走れなかったことによる。
PC5-6は緩勾配のダラ上りが続く。信号もない。RWGPSで作成したルートの獲得標高の予定よりかなり登らず(トンネル未補正だから当然ではある)、保険で積んだ計画値6.0Hから-1.0Hの好進捗となった。
区間は計画値から微差に留まり、PC5-6の好進捗がそのまま結果になっている。

2日目:
REST1-PC9の風景がよく、0.5Hの遅れ(朝焼けのなかで見下ろす那須勝浦町がすごくよかった)。
PC9-10の玉置山の上りは空腹と喉の乾きのため0.4H遅れ。
PC10-11は玉置山の下りが和泉葛城山同様にまるで稼げなかったことに加え、ドライブインで昼食を摂ったために0.6H遅れ。
中盤までに1.5H遅れの進行状況だったが「昨日よりは早く晩飯食えるからいいでしょ」っつってAコープ紀南熊野古道ちかつゆ店で大休止をキメ、遅れの取り返しを放棄していたため、この結果になった。

3日目:
PC15-16はPC15を出てすぐ派手にミスコースをキメたが、ルート復帰後は下り基調のため0.1H遅れ。
PC16-17は休暇村紀州加太の急峻な上りに対し、クリートを削る作業に従事。久々の市街地で信号に捕まったり迷ったりコンビニ飯に舌鼓を打ったりで0.4H遅れ。
PC17-18は渋滞による低進捗もあったが好進捗のため0.2Hを巻く。日あたりでは予実差なし。

いま見返しても、2日目がおかしい。乱暴な計画値に対して、クソナメた進捗を積み上げていってるあたり、計画守る気がないのがよく分かる。

長くなったので個人の所感は別エントリへ。